ダイナミクスのデザインとシステムの創成

ダイナミクスをデザインするための基盤となる「数理モデリング」と「システム制御理論」の研究を実施するとともに,その成果を先端科学分野や産業界へ展開しています.また,このような研究を通して,新しい未来を拓くようなシステムの創成を目指しています.

 

 研究内容

    •  

    • ダイナミクスをデザインするためには,制御理論と呼ばれる,動的システムを解析・制御するための理論が重要となります.本研究室では,ロバスト制御,ハイブリッド/量子化制御,マルチエージェント制御などの最先端の制御理論を開発し,それを新たなシステムの創成につなげるような取組みを行っています.

       

    • 制御系設計のためには制御対象のモデルが必要になります.制御系設計のためには,モデルは高精度である程良いというわけではなく,精度と簡潔さのバランスを図る必要もあります.そこで、簡潔で,かつ,対象の本質を捉えたモデルを構築する手法の研究を行っています.

    •  
    • ロボティクスは力学,幾何学,制御,機械学習など様々な分野が融合したテーマで,理論上も応用上も興味深い考察対象です.また,近年ではインフラの整備・点検や災害時の探索救助活動,建物の警備や高齢者の介護現場など,今までロボットが十分に活躍できなかった場面においてロボットおよびロボット技術を用いた無人化が求められています.本研究室ではこれらの要求に応えるための理論的基礎を築くことを目標とし,高い環境適応能力を持つとされるヘビ型ロボットや,複数のロボットが協調して作業を行う群ロボットの制御の研究を行っています.

       

    • 制御理論と数理モデリングを自動車の高機能化へ応用する研究を実施しています.たとえば,ディーゼルエンジンは高効率である一方,NOx や PM などの有害物質を発生する可能性があります.そこで,環境性能の高いエンジンを実現するために,排気再循環や可変容量ターボなどの機構を高度に制御する手法の研究を行っています.また,車内の快適さや高精度な製造を実現するためには,振動を抑制することが重要です.本研究室では,振動の要因や制振の必要性が状況に応じて異なることを考慮し,各状況の特性を活かしたアクティブ制振の制御則の研究を行っています.

    • 情報通信技術の目覚ましい発展とともに,それを効率的なエネルギー管理に利用することが近年注目を集めています.本研究室では,最先端の制御技術を利用したエネルギー管理システムの構築,さらには,エネルギー管理のための制御技術の開発を実施しています.

    •  

    • 生命システムは,多数の分子が縦横無尽にネットワーク結合したフィードバック制御システムだと考えることができます.本研究室では,システム制御の観点から,生物や生命現象の原理を明らかにすることを目指しています.また,その原理をロボットなどの人工システムへ応用しています.

    •  
    •  
    •